カーランド的“D仕様ハチロク”プロジェクト

File.03  いよいよボディ塗装!
エンジンルーム、フロア、そして室内の塗装が完了したところで、作業はいよいよ外装のボディの組み付け、塗装に取り掛かります。

ボディー色はもちろん白/黒ツートンのパンダカラー!

まずは、元々のボディ色である赤/黒の色を落とします。その後下処理をしてサーフェーサー(塗装の下地)を吹きます。このサーフェーサー吹きは塗装の仕上がりを左右する重要な工程でもあります。

サーフェーサーが吹けたらボディーにシーリング処理を施します。これは、各パネルの合わせ目から雨水などが浸入し錆が発生するのを防ぐ為の処理です。このように表面から見えない部分の細かな処理がレストアの一番重要な部分ともいえるでしょう。
  @サーフェーサーを吹きつけたボディ。
Aフロントのフェンダーアーチの折り返し部分をきれいに加工しシーリング剤を流し込む。 B取り付けてしまえば見えなくなるフロントフェンダーの裏側まできれいに塗装する。
C新品のリアゲート。今回は両車とも使用不可能状態だった為、あえて新品をチョイス。 Dここにシーリング剤を流し込んでおかないと、リアゲートの錆・腐りの原因となる。
E今後カーボンボンネットに変更予定(?)の可能性がある為、あえて錆の補修・再塗装をして再使用。 Fフロントピラー部へのシーリング作業。この辺りをきっちりやっておかないと後々錆が発生し大変な作業が発生することになる。
Gリアフェンダーとバックパネルの継ぎ目へのシーリング。ほとんどのハチロクがこの部分の損傷が激しい。 Hルーフパネルの合わせ目のシーリング。室内への雨漏れの重要なポイントになる。
Iボディの塗装の前に、まずピラー部分を塗装。
 
Jリアゲート周りもこの段階で先に塗装をしておく。
 
Kドアの取付。位置合わせは慎重に。
 
Lフロントフェンダーの取付。
 
Mボンネットを取り付けて塗装準備完了。
 
Nリアゲートを取り付けてリア周りの塗装準備も完了。
 
O意外と気付かないが、カウルトップは前期と後期で色が異なる。ここの色の違いで雰囲気ががらりと変わる。 Pもちろん前期と同じ塗装を施す。ガラスをはずさないと作業ができないので大きなポイントだ。
得知ワンポイントアドバイス

みな様からのご相談で「室内やトランク内に雨漏れが・・・」「ボディの錆がどんどん進行してきているのですが・・・」と言うお話をよくお伺いします。新車時にはきっちりと施されていたボディのシーリング処理も、20年の年月とともに劣化・硬化し、ひび割れしてしまっている為、雨漏れの原因となっていることが多々あります。そのままにしていると見えない部分にも錆が発生し、取り返しの付かないことに・・・。

今一度チェックをおすすめします!

−塗装作業−

下処理、サーフェーサー、シーリング処理という工程を終えて、ここからいよいよ本格的な塗装作業になります。

まずは、ツートンカラーの下側の色、黒から塗り、その後上側の白と言う順番で塗装します。この時、ツートンカラーの塗り分け、フェンダーアーチ部のハチロク独特の丸みを帯びたラインが塗装の山場となり、長年の技術と感を要することになります。

@まず黒い部分から塗装開始。 A続いて白を塗装。塗りあがった直後のボディ。
Bゆっくりと時間をかけ、丁寧に磨き上げる。 C磨き上げ完了!ボディはつやつやだ。

ボディーの塗装が完成後、塗装の表面をきれいに磨き上げる、磨き作業に入ります。
ここで、各部の最終調整をして塗装の完成となります。
 


−ガラスの装着−
ガラスのはめ込み・・・と言っても、場所によって装着方法は異なります。

フロントガラスは、ボディー側に接着剤を塗って、吸盤で持ち上げ、位置を決めスパッとはめ込みます。
リアゲートのガラスは、まずモールをガラスに装着して、室内側から吸盤で引っ張りながらリアゲートへ圧入するという装着方法になります。この時、ガラスの廻りから雨漏れ等を防ぐ様しっかりとシーリング剤を流し込んでおきます。
リアクォーターガラスは、ブチルテープによって取り付けます。
このように同じガラスでも各部で装着方法が異なるのです。

※ガラスのはめ込み作業は、事故や雨漏れ・錆の発生等のトラブルにつながるのでしっかりとした作業をしないと危険です。必ずプロにお任せください。
  @ガラス装着用の接着剤を塗布。
A吸盤を利用しての位置合わせ。一発で合わせる。 Bリアゲートのガラスは内側から圧入。
Cシーリングをしっかりしないと雨漏れの原因に。 Dリアクォーターはブチルテープを使って装着。

ここまで来ると、なんとなくハチロクらしくなってきました!もう少しで完成です。

次回は内装の組み付け及び、外装の最終段階・・・完成までレポートしていきたいと思います。お楽しみに!

 

 

※現在発売中の「辰巳出版 『レビン&トレノマガジン Vol.16』」にも詳しく掲載されています。

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